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みなべ町の一年

厳しい寒さの中、清楚な白い花を咲かせて春の訪れを知らせてくれる梅。
早春の南高梅林は、可憐な花びらのじゅうたんが山々に敷き詰められ、
甘酸っぱい香りがほのかに漂い、どこまでも早い春の息吹に包まれます。

豊かな実りをもたらす恵みの水を満々とたたえた島之瀬ダムの夏。 堰から絶え間なく流れ落ちる水が、夏の陽射にキラキラと輝きながら透き徹った紋様を描き出し、 一瞬、谷間に涼しい風が吹き抜けます。

山里から平野へと、色鮮やかな紅色のじゅうたんを土手や畔道に広げていく彼岸花。 早稲の刈り取りを終え、静まり返った山里に咲く彼岸花にそよぐ風にも、 深まりゆく秋の気配を感じる季節です。

凛とした冷気の中、薄らと雪化粧された梅畑が幾重にも重なる水墨画の世界。 時が止まったような静寂に包まれた南部梅林の梅の一枝に目を凝らしてみると、 やがて訪れる梅花の季節を予想させる花蕾が芽吹いています。